
ウクライナのキーウ州にあるチョルノービリ原発で史上最悪の事故が発生してから、26日で40年の節目を迎えた。かつて旧ソ連の一部であったこの地では、犠牲となった作業員らを悼む式典が営まれ、多くの追悼のキャンドルが静かに灯された。40年という歳月が流れてもなお、事故の爪痕は深く、現地の人々にとっては決して風化させてはならない記憶として刻まれている。
当時の事故による直接的な死者は発生から最初の3カ月で約30人とされているが、その後の影響は計り知れない。放射性物質によって汚染された地域は15万平方キロメートルという広大な範囲に及び、除染作業には延べ60万人以上が従事した。関連死を含めると犠牲者は数千人から数万人の規模に達すると推定されており、今なおその全容を把握することは困難な状況にある。
カラシュニク同州知事は式典において、この事故を「何十万人もの運命を永遠に変えてしまった悲劇だ」と厳かに表現した。さらに、現在も続くロシアによる全面侵攻という新たな危機に触れ、原発の安全性が脅かされている現状に強い懸念を示した。カラシュニク同州知事は「安全はいかにもろく、それを守ることはいかに重要か。私たちは、かつてないほどにそれを痛感している」と述べ、平和と安全の尊さを改めて訴えた。
ゼレンスキー大統領はSNSを通じ、事故炉を覆う新シェルター建設に40カ国以上が協力した国際的な連帯の歴史を振り返った。しかし同時に、ロシア側の無人機が原発周辺を執拗に飛行している現状を厳しく指弾している。ゼレンスキー大統領は「この『核テロ』が続くことを、世界は許してはならない」と強い言葉で強調し、国際社会に対してロシアの行動を阻止するよう求めた。
国際原子力機関(IAEA)によれば、現在も世界各地で415基の原子炉が稼働し、さらに72基が建設中であるという。IAEAのグロッシ事務局長は声明の中で、「私はチョルノービリを歴史ではなく、いまも私たちが背負う責任だと考えている」と述べ、過去の教訓を未来へ繋ぐ決意を示した。凄惨な事故から得られた安全性の知見を風化させず、次世代の原子力利用に生かし続けることが、現代を生きる私たちの責務であるといえる。
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